今回紹介するのは「2-9伝説」様の

「AT初当たり1回あたりの期待値を出す」

パチスロで本当に勝っている人は「他の打ち手に差をつける要素」を探しています。

この方はそれだけではなく
「他のギャンブルやブログ運営との兼ね合いバランス」
が外から見て素晴らしいです。

他のギャンブル種目を経験している人は「2-9伝説様から学ぶべき事はパチスロの立ち回り技術だけじゃない」という事に気づくと思います。



今回の記事はハイエナのシミュレートを雑誌に掲載されるよりも早く知るために必要な考え方です。
ところが1箇所訂正すべき箇所があります。本文を見てみましょう。

「1000円32回転、AT初当たり1/200、機械割95%」
という条件だけで計算すると。

AT1回あたりの平均投資が
32/200=6.25 6250円(おそらく200/32の間違いだと思います)

機械割が95%なんで
6250×0.95=5937.5=296.875枚

どこが間違っているか普通の人は解らないと思いますが、機械割95%というのは少し意味合いが違うのです。機械割(ペイアウト)というのは

「払い戻した枚数÷機械に入れた枚数」

で計算されます。

例えば5000回レバーを叩いた場合、入れた枚数は5000×3枚です。
ゆえにその場合の機械割(ペイアウト)は「払い戻した枚数/15000枚」という計算になります。

ところがここで一つ数字のマジックが存在します。上記の式は初当たりを引くと1ゲームも回さずに獲得枚数が払い戻される時の計算方法です。

ART機、AT機は平均100回転以上させて払い戻します。実はその最中のリプレイを3枚投入、3枚払い戻しと計算するのです。

といってもサッパリ解らない(文章が下手なので伝わらない)でしょうから実際にAT一回あたりの獲得枚数を正しく計算してみましょう。

例題に近い条件として攻殻機動隊を取りあげます。
解析は下のサイトを参照にします

攻殻機動隊解析

コイン持ちを1000円あたり30ゲームだと仮定すると、先述の計算式なら

206.8/30=6.89

6.89×0.971=6.69K

つまり攻殻機動隊のAT一回あたりの期待獲得枚数は6.69k×50枚で334枚となります。

が、重ねていいますが、この計算は間違いです。

攻殻機動隊の場合は機械割がほぼ100%である設定3を参照すれば簡単に計算が出来ます。まず設定3の場合

192.9/30=6.43で、初当たりまで6.43×50枚投資が必要になります。

それでペイアウトが100.5%ですから6.43×50枚×100.5=323.1枚が期待獲得枚数です。

設定1は設定3よりセット数の抽選が僅かに冷遇されていますので、設定1の獲得枚数はおそらく320枚くらいになるはずです。

この差はどこから生まれるのでしょうか。実は攻殻機動隊の設定1のペイアウトを0.971と捉えるのが間違いなのです。設定1と設定3の当たる確率を比べてみると

192.9/206.8=93.27

単純計算で93%の払い戻ししか受けられません。

機械割りと乖離したとても低い数値のように見えますが、リプレイを3枚投入3枚獲得と数えればメーカーの公式発表通り97%払い戻された事になります。検定では0枚投入の0枚獲得と算出するのですが、メーカー側は嘘を世間様に公表しても何らペナルティは無いですので。

これが数字のマジックの正体です。3枚投入3枚獲得で機械割を算出するのは攻殻機動隊のサギーだけでなく、どこのメーカーもそうしています。

このようにAT機やART機の獲得期待枚数の計算は

設定1で初当たり一回にかかる投資枚数×(0.90程度)

になります。自分で期待収支を概算する人はご注意下さい。

更に「りゅうの日常」様の記事ではこんな式が紹介されています。

①(②+3X)=③X+④」

これでで概ね間違いありません。

でも公式を見ても「意味が解らん」と感じる人が多いでしょう。
私もロングフリーズしました。という事で噛み砕いて解説します。

左辺と右辺の意味

この式は「通常時を消化し、ARTの初当たりを引いて、そのARTを消化し終えるまでの一連の枚数」を数式化しています。
左辺は使った枚数だと考えて下さい。
右辺は払い戻された枚数だと考えて下さい。

機械割が95%の台なら使った枚数の95%しか払い戻されないので、左辺に0.95をかける事により等号が成立します。

上の式を日本語で言い換えれば、

左辺:機械割0.95×(通常時にBETした枚数+AT時にBETした枚数)=

右辺:AT時に払い戻された枚数+通常時に払い戻された枚数

となるのです。

実際に計算してみる

それでは具体的な数値を見て確認しましょう。例題は
「コイン持ち1000円32回、AT初当たり1/200、機械割95%、純増2.8枚/G」
の条件でAT一回あたりの期待獲得枚数がいくらになるかというものです。

前回も言いましたがリプレイは3枚投入の3枚払い戻しで計算します。記事には

0.95(600+3X)=287.5+5.8X

と具体的な式が書かれています。

この「0.95」は先に言ったように機械割です。
「600」は通常消化時の投入枚数となります。

初当たり確率が1/200なので200ゲーム回すのに3枚がけで600枚メダルをBETするという意味です。
「3X」はAT消化時の投入枚数です。XはATの平均消化ゲーム数なのでこちらも3をかけます。

「287.5」は通常時200ゲーム回した時に払い戻される枚数です。コイン持ちが1000円あたり32ゲームだと初当たりを取るのに200/32=6.25千円を費やす事になります。
枚数に直すと6.25×50枚で312.5枚です。
200ゲーム消化するのに600枚入れて台に312.5枚吸い込まれるわけですから、通常時にリプレイやベルなどで払い戻される枚数は600-312.5=287.5枚となります。

最後に「5.8X」というのはAT中払い戻される枚数です。AT中でも毎ゲーム3枚BETするので、1Gあたり2.8枚増える台は3+2.8で5.8枚払い戻される計算となります。

そして、一次方程式でXを解いてやるとリンク先の記事で書いてある通り95.76という値を得ることが出来ます。
この95.76とはもう一度確認しますがAT1回あたりの消化ゲーム数です。
ゆえに純増である2.8をかければ、AT1回あたりの獲得枚数「268枚」という数字が出てきます。

思ったより少ない

1回初当たりを取るのに312枚失って、払い戻されるのはたったの268枚。僅か85%しか払い戻されないわけ。
あまりにも少ない数字ですよね。
でもこれが現実です。

例題のケースだと887.3枚投入の842.9枚払い戻しで約95%となります。
これが本当の機械割95%の意味であり、何度も言う「数字のマジック」です。

ただリンク先の記事でも述べられていますが、この計算式は「コイン持ち、初当たり確率、機械割、純増」全てのデータが正しくなければ成り立ちません。

例えばバイオ5は擬似ボーナスを0G消化と計算して純増2.3枚と謳っていますが、もちろん純増2.3枚で計算すると間違った数字が出てきます。
そして機械割詐称、純増詐称が当たり前の業界です。そういう事も意識しながら計算して欲しいと思います。

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