何やら麻雀業界で激震が走ったそうです。

麻雀をプロスポーツ化「Mリーグ」。“ゼロギャンブル宣言”で五輪正式種目へ

要はE-SPORTの方に行っちゃったわけ。

 健全化への施策として「Mリーグゼロギャンブル宣言」も発表。Mリーグと選手は賭博行為に一切かかわらず、賭博行為への関係が判明した場合は解雇などの厳重な処分を科すという。ギャンブルに関わらないことと、プロスポーツ化を進めることで、将来のオリンピック正式種目化を目指す。

まあはっきり言ってかなりの失策です。

風営法での営業ライバルであるパチ業界からすればプラスでしょう。



既存のプロリーグと何が違うの?

麻雀のプロリーグは大昔から存在していて、CSなどでは団体の垣根を超えた大会も存在します。

麻雀はTV観戦に耐えうる魅力的なコンテンツではありますが、既存のプロリーグとどう差別化するかが問題です。

大会のフォーマットは下記のようになっています。

 試合数は初年度1チームにつき80試合。赤牌、裏ドラありで、自動配牌卓を使用。リーグ戦で上位4チームが勝ち上がり、クライマックスシリーズ(プレイオフ)で優勝を決定する。Mリーグは全試合AbemaTVで配信する。初年度優勝の賞金は5,000万円。詳細なルールはMリーグのサイトで案内する。

登録選手は各チーム3人。主要5団体いずれかに所属するプロ雀士から、ドラフト会議を経て所属選手(Mリーガー)を決定する。選手は試合でユニフォームを着用する。ドラフト日は8月7日で、その模様はAbemaTVで生中継される。なお、参加選手の賭博行為は禁止されている。

【参加企業・チーム】
コナミアミューズメント「KONAMI 麻雀格闘倶楽部(ファイトクラブ)
サイバーエージェント「渋谷ABEMAS(アベマズ)」
セガサミーホールディングス「セガサミーフェニックス」
テレビ朝日「EX風林火山(イーエックスフウリンカザン)」
電通「TEAM RAIDEN/雷電」
博報堂DYメディアパートナーズ「赤坂ドリブンズ」
U-NEXT「U-NEXT Pirates

企業がチームを組むという形でスポンサー料を集めている形です。

しかし、よくもまあ、ここまでネット住民から嫌われている企業を集めたものでw

ネット配信するのに、応援するファンっているのでしょうか

プロスポーツって、企業を応援する形だと人気が出ないからJリーグは企業名のチームを禁止したわけです。

取って付けたように渋谷とか赤坂とか地名を入れているものの、地域密着もクソもありません。

最高顧問には川淵三郎氏を迎えていますが、彼は何も言わなかったのでしょうか。

もっとちゃんとした企業の協賛を得られてからやるべきなのですが、見切り発車過ぎます。

ギャンブルからの脱却

これが一番の愚策です。

ギャンブル性の排除する事により収益面に課題が残ります。

例えばJリーグは「税リーグ」と揶揄される程、地方自治体から資本投入や競技場運営のサポートを受けています

スポーツに税金を使うのは構わないですが、それはもはやプロじゃありません。

ただ、JリーグはTOTOというギャンブルをやっています。

TOTO→国庫→地方自治体
という3点換金の現状を考えれば、
「Jリーグに税金を注ぎ込む事は問題無い」
と言えるでしょう。

しかし、Mリーグは「ゼロギャンブル宣言」している以上、こういった収益モデルは取れません。

特に

参加選手の賭博行為は禁止

は大問題だと思います。

雀荘経営者はNG、参加雀士のフリー雀荘ゲスト(営業)はできないそうです。

しかし、Mリーグは自動配牌卓を使用します。

ここが致命的な矛盾点です。

 

今、世界のプロスポーツのトレンドは
「いかに競技人口を増やすか」
という部分が注目されています。

例えば、学生時代にサッカーをやっていた人は
サッカーファンになる確率が高く
野球ファンになる確率は低い
わけです。

そういった部分で野球は大きな問題に直面しています。

道具代や設備投資にお金がかかり過ぎるため、他の競技に子どもを奪われているのが現状です。

サッカー・バスケなどは手軽に出来ますし、アメフトも「フラッグフットボール」といって子どもが手軽に遊べるルールがあります(腰にある布を取ればタックル成功とみなすため、防具を付けずにプレーが可能)。

麻雀もMリーグを成功させてオリンピック競技を目指すなら、
どう自動雀卓を一般に普及させるか?
という部分を真剣に考えないといけません。

現状だと雀荘を枠組みの中に入れて考える必要があります。

そもそもオリンピック競技を目指すと言っても

「夏季オリンピックの競技は、男子では4大陸75カ国以上、女子では3大陸40カ国以上で広く行われている競技のみ。」

という明文化された採用ラインをどう乗り越えるのでしょうか。

そこへの道筋を全く示してない以上、電通や博報堂に乗せられたクソ企画にしか見えないです。

パチ業界が

「オリンピックを目指す」という事はないと思いますが、そこに金脈はありません。

ギャンブルはギャンブルです。

プロスポーツはプロスポーツです。

どちらも一定の需要があります。

麻雀はテキサスホールデムポーカーの立ち位置を目指さなければいけないのですが、道を踏み外してしまいました。

パチンコは「庶民の娯楽(小博打)」という立ち位置から、絶対に離れてはいけません。