ブラジルで行われたサッカーのワールドカップ、日本は残念ながらグループリーグで敗退してしまいました。

これが「世界との差」と言ってしまうのは簡単ですが、大会直前の練習試合ではコスタリカに勝っているわけです。危なげなく予選も突破している事から決して弱いチームではなかったはず。
諦めムード一色で、「敗因探しなど負け犬の遠吠え」と考える人も多いようですが、もう少し現実的な分析をしないと次のステップには進めません。

ここに来てアウェイの不利さというのが囁かれています。
地球の裏側から来たアジア勢が全滅であり、ヨーロッパ勢も振るわないからです。

ホームアンドアウェー

確かにホーム側が圧倒的に有利です。サッカーだけではなく、ほぼ全てのプロスポーツに当てはまります。
心理学の瀧上凱令先生の論文
日本プロ野球におけるホームアドバンテージ (PDF)



というのがよく分析できていてオススメです。
論文形式で書かれているので読みにくいと思いますから簡単に概要を解説しておきます。

この論文は野球もサッカーもホームの方が統計的有意に勝率がいかに高いかを数字で表しているのと、ホームアドバンテージ要因を
ルール因子(rule factor)
習熟因子(learning factor)
移動因子(travel factor)
観衆因子(crowd factor)
と4つに分けて分析しています。

4因子の評価

ルール因子に関して野球はどちらもアウェイとなる地方球場試合の結果を分析しています。その結果、「後攻有利」というデータは出て来ませんでした。
サッカーのルール因子については特にありません。
でも現実はホームの勝率が56%と非常に高い水準にあります。

習熟因子については野球は球場によって広さや形の違いがありますが、大きな差は見られませんでした。サッカーは芝のピッチの違いだけで野球ほど影響無さそうという見解です。

移動因子は移動がほぼ0である野球の横浜・ヤクルト・巨人を比較してホームアドバンテージがあった事から移動因子は少ないとしています。

観衆因子は観客数の差が明確に存在するJ1とJ2の試合結果を比べても有意な差がありませんでした。

つまり「これらのファクターではホームアドバンテージを説明出来ない」とい結論になります。

自分がこの論文を読んで、一つ気になったのはサッカーの習熟因子です。

ピッチコンディションの違い

野球はプレーにおいてボールがグラウンドを転がる比率が低くて人工芝の球場が多いので差が生まれにくいですが、サッカーは天然芝ですのでピッチコンディションの違いはとてつもなく大きいと考えられます。
今回の日本代表が試合したピッチコンディションは特に酷かったです。

競馬に詳しい人なら解るでしょうが、
コートジボワール戦は後半から重馬場でしたし、コロンビア戦の試合会場は直前に芝を植えただけの突貫工事でした。
植えた芝が根を張る前に試合するものですからあんなに掘れてしまうのです。JRAなら緑の土を撒いてローラーで固めて体裁を保ちますが、そんな小細工もしなかったので荒れ放題でした。
その結果、この2試合では日本らしい速いパス回しは全く出来なかったわけです。
本田がゴールドシップで香川がジェンティルドンナであってもネコパンチやアスカクリチャンが好走する馬場なら凡走します。

日本代表がブラジル入りする前に最後の合宿を行ったアメリカタンパでの試合と今回のワールドカップでの試合を比較するとボールの転がり方が明らかに違います。
ここまで違うと別のスポーツのように思います。

でも前者が練習試合で、後者がワールドカップの試合です。

苦し紛れにパワープレーに走ったザックの采配にも一定の理解は出来ますが、そもそもスタジアムが突貫工事である事は1年以上も前から解っていた事です。芝生が芝生として機能していない状況でプレーする事も想定出来たはず。つまりアウェイの洗礼というよりかは準備不足だという結論になります。

そういった意味で日本代表にデータ分析班というのを導入すべきだと思います。
ピッチコンディションという評価因子(指標)は必ず入れるべきです。

ドログバやハメスロドリゲスといった超弩級の選手なんて簡単に育つわけがありません。
だからこそ日本代表特有の武器が必要になると思います。

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