昨年パチスロ研究室で「カジノ法案が通ってもカジノなんて今更流行らない」という話をしました。
今年7月のブログ全損事故でその記事が行方不明になったのでwもう一度要旨だけ紹介します。
- カジノで行われる種目は単調過ぎてツマンナイので世界的に随分前からオワコン。だからラスベガスはショーを強化して、マカオは風俗を強化して、モナコはF1を走らせている
- 生き死にをかけたレベルの金額のギャンブルならカジノのような単調な種目の方が面白いが、そういう客はリピーターになりようがない。生かさず殺さずというパチンコ業界のやりかたがビジネスとしては正解。
- よって世界各国のカジノはコストがかからないオンラインカジノに生き残りをかけているのが現状。戦略性が高くリピーターが付きやすいテキサスホールデムポーカーが今後の中心になる
といった世界的情勢から日本でカジノ法案が成立しても客引きの目玉が『リゾート』では100%失敗するという話をしました。
それを踏まえて今回は「カジノは廃業相次ぐパチプロ・スロプロの受け皿になるのか?」という話をします。
まず当たり前の話ですが、どんなギャンブルにも勝ちネタが必要です。技術介入がない既存のカジノ種目で勝ち組になるのはまず不可能です。
可能性があるのは戦術性が高いテキサスホールデムポーカーとなります。
テキサスホールデムポーカーについて戦術的なものはググッて自分で調べて欲しいのですが、必要とされる能力は麻雀に近いものがあります。
メタボ教授は脳の瞬発力や感情のコントロールなどが一般人レベルですので、おそらく勝ち組に回るのは不可能だと思います。逆に優秀なプレイヤーは海外の大会に参加して稼ぐ道があるわけです。
オンラインポーカー
で一つ注意して欲しいのは日本における法的立ち位置です。
一般的にはオンラインギャンブルは海外の会社、海外のサーバーだから大丈夫という認識ですが、これは正しくありません。
法律に書いてある事を判断すれば一見合法のように見えますが、法律に書いてあることが全てではない事を知って下さい。
ご存知のように六法全書を丸暗記しても司法試験には受かりません。
裁判官は法律に書いていることだけで判決を下してないのです。
代表的な事例として競馬の課税訴訟があります。
NAVERまとめのリンクを貼っておきますが、もっと噛み砕いて説明します。
競馬で28億7000万円分馬券を買って30億1000万円の払い戻しを受けて差し引き1億4000万円の利益を得た人がいました。
競馬の払い戻しは一時所得にあたり、納税の義務が生じます。
日本の法律上、当たった馬券の購入費用はその払い戻しに対する費用として認められますが、一方で外れた馬券については費用として一切認められません。
そのため28億7000万円の馬券購入費用の内、経費として認められるのは「当たり馬券の購入額である1億円1000万円」であり、それで計算すると彼は5億7千万円の納税義務が生じます。
1億4000万の利益に対して5億7千万の納税義務があるのはおかしいだろということで裁判となりました。
裁判は最高裁まで行くようですが、1審・2審共に原告側の主張を全面的に認めて「所得は実際の利益である1億4000万円であり、必要な納税額は追徴含めて約5000万円程度」という判決が出ました。
このように法律に書いていることとは全く違った判決が出ることもあるのです。
法律なんて何十年も昔に出来たもので現状に則してないものもあるわけですから、裁判官は法律だけではなく過去の判例や社会通念も重視して判決を下しています。
警察も最近だと、海外サーバー・海外名義会社のFC2に捜査のメスを入れたように、実質日本人対象のオンラインカジノはいつパクられてもおかしくない状況です。
ゆえにオンラインカジノを始めるのはオススメしませんし、やる人はそれなりのリスクを覚悟してやって下さい。
もちろん海外で現地開催されるポーカーの大会に行って稼ぐといった事は全く問題ありませんので、才能ある人は頑張ってください。
カジノ法案の本当の争点
カジノ法案(通称IR法案)は今国会も成立断念となりました。
何年も前からやっていてどうして決まらないの?
と皆様お思いでしょうが、成立しない理由はとても簡単です。
「カジノ利権を得れるかどうかの駆け引きが水面下で永遠続いているから」
特に死活問題なのは警察側です。
ご存知の通りパチンコ屋の換金をはじめ、パチンコに関わる利権は全て警察が握っています。
そのためパチンコ⇒カジノへの移り変わりは警察としては阻止しないといけません。
カジノも警察側が牛耳ってしまえば問題ありませんが、他の議員や他の省庁側も目を光らせているのが現状です。
風向き的には警察から利権を奪えという方向になっています。
パチンコ合法化で税金徴収という話題が出てきたのもその一環です。
こういった状況の中、最近どのパチンコ業界団体の声明にも
「風営法の下で発展」という言葉が見られました。
これは警察への絶対服従アピールだと言えます。
一方でカジノ推進派であるユニバやサミーへはスロット規制という警察側の制裁が入りました。
という事でカジノ推進派が歩み寄ったのか、10月24日に「カジノ利権を警察にも開放」となったそうです。
このことでいちおう決着がつき、法案通化へ前進する事となります。
カジノ法案が通ったら
我々は何の種目を鍛錬すればいいでしょうか。
やはり技術介入の要素が多いポーカーなのでしょうか。
自分の答えは違います。
養分様が多く参加しそうな、ある種目に注目しています。
まず何故サミーやユニバーサルがカジノを推進しているのかを考えてみて下さい。
法案が通過して全国10数箇所にカジノが出来ても、いくらの利益が上がるのでしょう。
カジノだとパチンコみたいに1台40万の台を頻繁に入れ替えるような事はないと思います。運営に参加できても公設民営みたいな形でしょうから莫大な利益はあがりません。
サミーやユニバの本当の狙いは
カジノ解禁を足がかりにオンラインカジノへの取り組み
これしかないと思います。
サミーはここ数年サミータウンに力を注いでいますし、今年になってユニバもサミータウンの仲間入りを果たしました。
「IR法案=オンラインカジノ解禁」とはなりませんが、カジノ自体が合法解禁されれば競馬や相場と同じ手順でオンライン化の道が開きます。
つまりカジノが合法化されて将来的に一番稼げそうな種目は『オンラインパチスロ』だとメタボ教授は考えています。
言い換えればスロッターとして10年後も生き残っていればビッグチャンスが訪れると自分は思っていますので、今から新しいカジノの種目をやろうとは思っていません。
非常に勉強になりました…!
1ギャンブラー(?)として、今後の動向が楽しみです^^♪
>>だてめがね様
ありがとうございます(^O^)。
いち早くオンライン化した相場の世界を覗きみると日経225オプションのような「商品取引とはかけ離れた賭博」が大人気だったりします。
カジノの管轄(利権)が警察に握られたとしてもIR法という風営法とは別のものになると新たな展開、新たな可能性が出てくるのは間違いないのでまずは法案成立を願っております。
日本人の国民性みたいなのを考えたときにカジノ自体って成功しにくいと思うんですよね。
まーあくまで対日本人を商売とするならですが。
外国の方が日本のカジノに興味を持ってくれるとも思えないんでね。
とっととパチンコを合法化してジャパニーズギャンブルて事で紹介しちまえばいいんでないかなとか考える俺無能
合法化するデメリットて何かあるんでしょうか?あっ推進する政治家の印象悪くなるとかは無しの方向でw
>>Saya.k様
カジノの設備が同じならその他でどれだけ付加価値をつけれるかでしょうね(・∀・)。
ただ、韓国からパチンコを打ちに福岡に観光来る人が近年多くなったように、無理にカジノを作らなくてもパチンコパチスロも海外に潜在的な需要があると思います。
パチンコパチスロの現状は、規制でがんじがらめで遊技性すら自由度が低いので海外からお客様を迎えるなら大改革が必要だとは思いますが。
デメリットは特にありませんが、万が一オリンピックに併せてカジノがオープンされても警察の仕事が増えるだけなので、オリンピック後の施設の再利用にカジノという話に落ち着くのではと予想しています。
とても楽しく読みましたー!
いつも勉強になりますねー!^ ^
なんかオンラインになるといくらでもシステムとか側にごまかされてしまいそうな気がして不安です!まぁ今のスロも機械だから同じかもしれないですが。
>>へーい!様
そうですね。おっしゃろ通り胴元の信頼性というのは何より大事です(集中講義最終講義で語る予定です)。法律できちんと定められればいちおう安心だとは思います。そうでなくとも最低限パチンコ。パチスロのレベルまであるなら問題無いと思います。
ちょうど学校で公営カジノについての授業があるのでとても参考になりました!
>>無知無能様
公営カジノの授業なんてあるのですね( ゚∀゚ )。
大学卒業して随分時間が経ちましたが自分も受けてみたいです。
すごい考察力に頭が下がります。カジノ法案についてここまで考察されてる方はなかなかいないでしょう。大変、勉強になりました。
>>じゅん様
とんでもないです。あくまで自分の視点ですので国会の運営によっては
「確か集中講義とか言って寝言を抜かしていたよなあの豚」
と揶揄されるかもしれません。